しかし現在では、都市化の発展により湧水が枯渇し、地下水を汲み上げて池の補給水 にしている所がある。吉祥寺の井の頭公園の井の頭池もそのひとつで、汲み上げた水が 池の水源となり、神田川となって流下し、隅田川に合流している。しかし多くの池は富 栄養化が進み、汚濁してきている。そこで管理者は、汚泥の浚 しゅん せつ や浄化施設の設置等に より水質の改善や、環境整備を行い生態系の回復を図ったりしている。また用水路等を 復元し、親水公園として整備し、身近な水辺を復活するなどして池周辺の整備を行って いる。ここで池の浄化について紹介しておこう。上野恩賜公園の不忍池では、ボート池 の水質を改善するために自然の浄化力を利用した浄化に取り組んだ。これは底泥からの 溶出を抑えた上で、散気板を池の底に設置して、それによって循環流をおこし水を混合 するものである。設置後一年の経過を見ると、①溶存酸素が均一化し、臭いが軽減した、 13 写真8 井の頭公園内の井の頭池 写真9 石神井公園の三宝池