近年、我が国では、私たちの生活が豊かになり余暇にゆとりを生じるにしたがい、河 川空間等における動植物等の生態系の保存、地域の景観や生活にとけ込んだ良好な水辺 空間の創造などについて、再び私たちの関心が強まっている。特に、都市の水辺は、自 然が身近に残されている数少ない空間であるからこそ重要である。 今後、快適で良好な水辺環境を保全・創出していくために、次のような視点から水辺 環境づくりが展開が提案されている。 また、私たちの周囲では、水辺を含め人と水環境とのかかわりの再構築も目指されて いる。これは、①水の流れを豊かにし、河川水量や地下水・湧水を増やすことにより、 自然の水循環系を保全、再生すること、②水を清らかにし、都市活動や日常生活の中で、 水環境への負荷を減らし安全で清らかな水質にすること、③水辺の生きものと共にくら し、心やすまる景観とともに生きものたちのにぎわいを楽しめるよう、身近な水辺の自 然を守り育てること等である。 20 表3 水辺環境づくりの目標 1 快適な水辺環境の保全・創出 ・水をきれいにする ・水の流れを確保する ・水辺の生きものを守り育てる ・親しめる水辺をつくる ・快適な水辺を都民とつくる 写真15 整備された公園の例、北区音無親水公園 水辺環境づくりの目標