『 セッション報告』 <第1セッション>サンプリング(安冨 記) 【1】洪積層の砂礫層を対象とした土壌分析用試料採取について 川崎地質(株) 加藤 猛士 地質汚染の分布状況を把握するために行うサンプリングを、新しい道具は使わず、従来 の地質調査ボーリングの手法を生かして成果を上げた事例について報告されている。サ ンプリングを行う際に問題となる異なる深度の試料の混入を防ぐために、試料と接する 物をきれいな状態に保つための工夫が紹介されるとともに、人為的汚染を防ぐために現 場周辺を常に整理整頓し、調査目的を良く理解することが必要と述べている。 【2】倍圧型水圧ピストンサンプラーの試料品質 興亜開発(株) 鈴木 久美子 新しく開発された小口径の水圧ピストンサンプラー(採取試料径φ60mm)で採取 される試料の品質について報告されている。同サンプラーは標準貫入試験孔(掘削 孔径φ66mm )で使用でき、従来使用されているサンプラー(採取試料径φ75mm で採取された試料の土質試験結果と比較しても、寸法効果等の影響は認められず、 同等の品質が確保され実務にも十分適用可能だと述べている。 【3】サンプラー引上げによるサンプラー下端・孔底の圧力変化 基礎地盤コンサルタンツ(株) 湯川 浩則 ボーリング作業時のコアバーレルの昇降時やサンプリングチューブの引抜き時に 発生する圧力変化が、孔壁周辺の地盤にどの程度の影響を与えているかを調べるため に行った実験結果について報告されている。実験結果から判明した事項をまとめる とともに、コアバーレル挿入時のロッドからの孔内水吹き出しのような、ボーリング 作業時に見られる現象と結びつけ、現場でも孔内の状況を推測しやすくまとめている。 <第2セッション>室内試験(桜井 記) 【4】局所ヒズミ測定装置を用いた岩石の水平方向のヒズミ測定について サンコーコンサルタント(株)前川 嗣哉 従来より岩石試験の鉛直ヒズミ測定では、局所ヒズミ測定装置(LDT )を用いる 方法が用いられているが、本報文は水平方向のLDT によるヒズミ測定を提案してい 24