①都立長沼公園
長沼公園は、本自然公園の西部に位置し、多摩丘陵に残る緑の砦のような風情があり、
何本ものやせ尾根や緑深い谷が発達し散策コース沿いの景観は変化に富み、山深い雰囲
気をかもしだしている。また主尾根部のハイキングコースに出ると展望園地があり、眼
下に台地に広がる街並み、遠くには奥多摩、秩父の山々が見渡せる(写真7)。
公園の大部分を占める雑木林(クヌギ、ナラ等)は、常に好ましい姿を維持するため
に、一定の樹齢が過ぎると伐採し、その切り株から生えてきた芽を育てるという方法
(萌
ほう
芽
が
更新
4)6)
:図6)を採用して、その佇まいを保っている。
②都立平山城址公園
「平山城址」の言われは、源平一の谷合戦の先陣争いをはじめ、数々の合戦で勇名を
馳せた源氏方の侍大将・平山季
すえ
重
しげ
が、今の季重神社付近に見張り所をおいた、という説
からきているが、季重が城を構えたか否かについては明らかではなく、また築城時期に
ついても複数の説がある。現在では季重神社周辺に、かろうじて古城(山城)の面影を
残している
7)8)9)10)
。
公園の北側は急傾斜な地形を
成しているが、公園内に当たる
南東斜面は比較的緩やかな地形
を成している。陽当たりもよく
散策路も整備されており、桜の
名所としても知られており、良
き憩いの場として親しまれてい
る。
─7─
写真7 公園内からの眺望 図6 萌芽更新の模式図
4)
写真8 さくらの道は憩いの場である