る。尚、洗足池の源流と言われる清水久保弁財天の滝と池は、現在では、ポンプを使い、
水道水を供給して池の水を循環させている。
③有栖川宮記念公園
公園は、淀橋台(下末吉面)から渋谷川の沖積低地にかけて広がり、淀橋台の崖下に
池がある。約2万坪の広さを持つ、都心には珍しい静寂な公園である。昭和53 年に、震
災時の飲料水確保を目的とした大規模井戸が池の中に設置され、渇水期には池に水を供
給している。しかし、井戸からの水の
供給は1年に2回程度で供給量も少な
いため、池の底からの湧水は現在でも
あると考えられている。洗足池公園と
同様に、ポンプや浄化装置により池の
水を浄化・循環させて、水質の維持を
図っている。帯水層は東京層、又は、
東京礫層と思われる。
④竹林公園
竹林公園は、竹林の美しい静かな公園である。このあたりには、竹林、雑木林、畑地
等が多く、土の地面が広く残されている。ローム層下の砂礫層からの湧水は、湧水量も
多く、今回取材した中では最も湧水ら
しい湧水であった。ここは立川面と武
蔵野面の境界付近にあたるため、帯水
層は立川礫層か武蔵野礫層であろう。
竹林公園のほかにも落合川沿いには湧
水地点が多く、それらの湧水を集めて
流れる落合川は、水草が繁り水鳥が遊
ぶ、都心では見られないような清流で
あった。
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写真16 有栖川宮公園の池
写真17 竹林公園の湧水
17)
写真18 竹林公園の竹林 写真19 落合川の清流