4.川辺の公園
かつては東京都内にも、自然とふれあえる清流が多くあった。しかし、水量の減少や生
活排水の流入などにより、水質が悪化して魚の住めない川となったり、洪水対策のため
護岸をコンクリート張りの護岸にしたため、川で自然とふれあうことができなくなって
しまった時期があった。しかし近年、護岸の改修や水質の改善に努めてきた結果、川辺
では自然とふれあえる箇所が増え、魚も住めるようになっている。このような川には自
然と親しめるよう川辺の公園が数多く作られている。都内の川辺の公園としては「日本
の都市公園100 選」に選ばれた都立水
みず
元
もと
公園
こうえん
や北区立音無親水公園
おとなししんすいこうえん
などが有名である。水
元公園は東京都の北東端の埼玉県との県境に位置し、都内でただ一つ水郷の景観を持つ
公園である。公園は中川と江戸川の間にあり、東方の下総台地と西方の大宮台地の間に
広がる中川低地と呼ばれる沖積低地に位置する。この中川と江戸川は図11 に示すように
江戸初期頃の利根川や渡良瀬川および荒川の主な流路に位置し、中川低地はこれら河川
の氾濫原に相当する。
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図11 17世紀初期の関東地方の川の流路
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