1)発酵法
① 単発酵式 … 原料中に初めから糖分を含む場合、糖分を直接発酵させて造る方法
→果実酒、植物汁液酒、乳酒など。
② 複発酵式 … でんぷんを主成分とする穀類を原料とする場合、でんぷんをまず糖化
してから発酵させる方法→乾燥した西洋では、麦芽の酵素により分解
糖化してから酵母により発酵させる単行発酵式(ビールなど)と、日
本のように湿度の高い東洋では、カビが多く発生するためその利用が
発見され、こうじなどの酵素による糖化と酵母による発酵を同時に行
う並行発酵式(日本酒など)がある。
2)蒸留法
発酵法により得た酒またはそのしぼりかすなどを蒸留してつくるもの。一般にエキ
ス分がほとんどなく、味が強烈である。→焼酎・ウィスキー・ブランデー・ウォッ
カ・ジンなど。
3)混成法
醸造酒やアルコールに糖分・調味料・香料・色素、各種薬品などを混合して造るも
の。また、混合後すぐ飲用するものと発酵させるものがある。→みりん・合成清酒・
薬味酒・リキュール・白酒・カクテルなど。
日本の酒税法で定める酒類は、アルコール含有量が1%以上の飲料をいい、清酒・
合成清酒・焼酎・みりん・ビール・果実酒類・ウィスキー類・スピリッツ類・リキュ
ール類・雑酒の10 種類とし、製造は許可を要するとともに酒税を課すことが定められ
ている。ただし、焼酎を使った梅酒やミカン・カリン・スモモなど12 品種の果実酒の
家庭製造は許されている。
─3─
注 ( )内の数字はアルコール含有量・単位=%
日
本
の
酒
外
国
の
酒
醸造酒 清酒(15~16)
合成酒 合成清酒(15~16)
蒸留酒 焼酎(20,25,35)・泡盛(25)
発砲酒 合成ビール(4~7)
薬味酒 梅酒(13~14)・養命酒(19)・保命酒(15)・とそ酒
醸造酒 ビール(3.5)・紹興酒(10~15)
蒸留酒 ウィスキー(30~40)・ブランデー(40~45)・ウォッカ(40~60)・ジン(40~50)・高梁
酒(60)
果実酒 ブドウ酒〔生ぶどう酒(7~14)・発砲性ブドウ酒{シャンパン(10)}・デザートワイン{ポート
ワイン・シェリー酒・ベルモット酒(約16)}〕・リンゴ酒(3~5)
混成酒 リキュール酒(15以上)・カクテル
表1 お酒の種類 日本の酒・外国の酒