パホイホイ溶岩はハワイ等に見られる粘性 の低い流動的な玄武岩質溶岩である。玄武 岩質溶岩の初期の噴火では揮発性成分を含 むため、脱ガスによる温度低下で小さな刺 をもつ破片(クリンカー)に被われたアア 溶岩ができる。安山岩質溶岩では表面が大 きな溶岩塊で被われた塊状溶岩を作る。デ イサイト質や流紋岩質の溶岩は火口から盛 り上がって溶岩ドームを作ることが多く、 地表を流れ下ることは少ない 5) 。三宅島の 玄武岩質溶岩はパホイホイ溶岩、又は、ア ア溶岩に分類される。 ③火砕流 雲仙普賢岳の噴火(1991 )により広く知 られることになった火砕流は、発泡したマ グマの破片や火山体を構成する岩片等が、 高温のガスと伴に地表面を高速で流下する 現象である。火砕流は、 火砕流本体を包む低密 度で流動的な火砕サー ジと、その上部の細粒 火山灰を主体とする対 流部から構成される。 1991 年の雲仙普賢岳の 犠牲者の大部分は火砕 サージによる。火砕流 堆積物は高温であった ために溶結凝灰岩や木 炭などが見られること が多い。三宅島では 2000 8 月末に低温の 火砕流(火砕サージ) が発生したことが、全 島民が島外避難する契 機となった。海底火山 5 図6 溶岩流の模式断面 4) 図7 雲仙普賢岳火砕流の内部構造 4) a )縦断面, b )横断面, c )速度構造, d )堆積物の構造