『セッション報告』 <第1セッション>(菊池記) 【1】コアチューブサンプリング手法が堆積軟岩試料の乱れに与える影響 基礎地盤コンサルタンツ(株) 土屋国彦 泥岩のサンプリングを対象とする場合、ケーシングを泥岩層に定着させてロッキング 現象を防止させることにより、サンプリングの質を向上させることができることを、qu E50 の比較によって示した報告がされている。 中津層の泥岩においてごく浅い深度(Gl-10m 程度)では qu に大きな差はみられない が深度が深くなるにつれてロッキング現象の影響が大きくなり、qu に大きな差が認めら れた。深い深度での堆積岩のサンプリングに際しては、軟岩層にケーシングを定着させ ることによってロッキング現象が低減し、サンプリングの質が向上することがわかった と述べている。 【2】東ロームの圧密降伏応力に就いて(その 2 ツルミ技術(株) 高梨文浩 1998 年度の技術フォーラムで発表された、「関東ロームの圧密降伏応力が水浸試験の 場合よりも非水浸試験の場合の方が大きい値を示す。」報告の続編として、実際にどの くらい大きい値を示すのか比較試験結果について報告されている。 現段階では関東ロームの圧密試験を水浸条件で行うと、地盤を過小評価する場合がある ので、工事計画や現場の地形・地質・地下水等の状況によって非水浸条件でも圧密試験 を行った方が合理的で、経済的にも有利であると述べている。 【3】中空ねじり試験機の中圧型への改良について 川崎地質(株) 吉泉 直樹 最大 GL-221m の硬質砂や硬質粘土(軟岩)を対象にねじり試験を実施するに当たり 現行の標準圧仕様のねじり試験機では耐圧性と剛性、荷重系などのセンサー容量が完全 に不足することが予測されたため、新たに 30 気圧までの耐圧性能と高荷重・高トルク を測定できる剛性を有した「中圧中空ねじり試験機」を作成した。本偏は試験機の紹介 と得られた試験結果の概要が報告されている。 試験結果から、通常では工学的基盤層として扱われる地層でもひずみの増大に伴い剛性 が低下するという土の基本的な非線形性を有することが示されたと述べている。 25