8 が広がっている。崖線の下の立川段丘面には野川が崖線に沿うように流れている。代表 的な湧水地として「真姿の池湧水群(国分寺市)」、「野川公園(三鷹市、小金井市、調 布市)」、「深大寺(調布市)」、「喜多見不動(世田谷区)」等が挙げられる。 図11 武蔵野台地の野川を代表する国分寺崖線の湧水機構 7) <府中崖線> 府中崖線は、立川市西南部の奥多摩街道沿いから府中を通り、小田急線の狛江付近ま で続く崖線であり、南部は青柳段丘面に代表される多摩川沖積面と呼ばれる地層が表面 に現れている。代表的な湧水群として「矢川緑地(立川市)」、「ママ下湧水群(国立市)」 がある。 どちらの崖線にも多くの湧水があり、市民の憩いの場所として貴重な自然環境を創り 出している。 (2)湧水マップ 東京都環境局では、東京の湧水について3~5年ごとに調査を行っており、近年では 平成15年度に調査が実施されている。その調査結果によると、都内全域で707箇所の湧 水が確認されており、東京23区で280箇所、多摩地区で424箇所、島しょで3箇所となっ ている。この内、多摩川水系に関わる湧水地は450箇所と全湧水地の64%を占めており、 このことからも多摩川は都内の自然財産の宝庫であることが伺える。多摩川水系の湧水 地の内、武蔵野段丘(野川(仙川含む)、矢沢川、丸子川)における湧水地が136箇所あり、 多摩川水系の湧水地の30%を占めている。東京都ではこれらの湧水の中から、市区町 村や都民の方々から推薦を受けて、「東京の名湧水57選」を選定し、パンフレット等に より都民の関心を高め、保全するための活動を推進している。  (3)湧水地、自然公園めぐり ここでは、都内の代表的な湧水地、自然公園を紹介する。