2 図2に示す主な河川の河床勾配に見られるように、日本の河川は水源から河口までの 距離が比較的短く、勾配が急であることが特徴である。中でも多摩川は信濃川や荒川よ りもさらに急な勾配となっている。 河川の地形・地質的な作用として、浸食、運搬、堆積作用の3つの作用がある。上流 の山地は浸食により土砂が発生し、土砂は下流部に運ばれ、低地で三角州平野が形成さ れる。かつて氷河期には、海水面低下に伴い河川勾配が急になったため、浸食作用が盛 んとなった。この浸食作用により、多摩川は山地を削り、多量の土砂を運搬し、勾配が 緩くなる青梅や秋川を扇頂として、これらの土砂を堆積して扇状地が形成された。中流 域に発達する台地は、このような多摩川の河川作用で形成されたものである。 図3 多摩川の縦断面図 2) (「多摩川の縦断面模式図」(水辺を歩こう多摩川ガイド&ハンドブック 2004)に加筆) 山地 丘 陵 台地 低 地 図2 主な河川の河床勾配 2)