29 その後、明治30年(1897)には、道路橋では日本初の鉄橋として鋼鉄製のトラス橋 が現在の場所に架橋された(写真26)。しかし、関東大震災で被災したため、現在の橋 が再架橋された。「帝都東京の門」と言われたこの橋はドイツのライン川に架かってい たルーデンドルフ鉄道橋をモデルにし、現存最古のタイドアーチ橋かつ日本で最初に径 間長100mを超えた橋でもある。現在江戸東京博物館に架橋当時の永代橋のレプリカモ デルが存在する。平成12年(2000)に清洲橋と共に土木学会の「第一回土木学会選奨 土木遺産」に選定された。また、平成19年(2007)に都道府県の道路橋として初めて 後述する清洲橋・勝鬨橋とともに国の重要文化財に指定された(写真27)。 4-3 代表的な橋の景観と文化 いままで江戸時代の橋を中心に紹介してきたが、ここでは現在隅田川に架かっている 景観に優れた代表的な橋について基礎構造を含めて紹介する。 (1)代表的な橋の景観と基礎構造 ・清洲橋 清洲橋の名は、深川の清澄町と日 本橋の中州を結ぶ橋であることに 由来し、橋の新設にあたって公募さ れたものである(写真28)。この二 つの町を中州の渡しが結んできた が、震災復興事業の一つとしてドイ ツのケルンの吊橋に範をとって、女 性的な曲線美をもつ吊橋を架ける ことになった。男性的な永代橋と対 照的に女性的で芸術的な立体構造 を持つ本橋は、隅田川第一の美橋と 写真26 1897年完成の旧永代橋 写真27 現在の永代橋 写真28 日本橋側からみた清洲橋