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永らく続いた江戸時代も慶応4年(1868)の明治維新により、江戸城が京都に代わっ
て皇居と定められて以来、東京の発展は目ざましく、現在のような大都市に変貌したが、
今もその中心となる多くの道は、そのほとんどが江戸時代に設けられた道を基に発展し
たものである。近年では、高速道路や幹線道路など新しい路線の整備がされつつあり、
古い道との連携を図りながら快適で環境にやさしい道づくりが進められている。
(4)近代の道
東京の道路事情は、大正12年(1923)の
関東大震災を契機として大きく変貌をと
げた。すなわち、震災の復興計画によっ
て、街路が大きく整備されたのである。
この時、従来の道路は52の幹線道路(幅
員22~44m)と、121の補助道路と区画
整理道路(幅員11~22m)に改造された。
そして、皇居を中心に、延長約750kmに
及ぶ環状線や、放射線状の道路体系が整
備されていった(図29)。
幹線1号は、「昭和通り」と命名され、品川・銀座・千住方面を結び、東京を南北に
抜ける道路として復興事業の花形となった。(写真8)。
図29 東京の主要道網
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写真8 幹線1号(昭和通り東銀座付近)