- 31 -
が数多くある。今でも江戸時代と同じ道幅で宿場町の姿を残しており、ひっそりと活きてい
る(写真12)。現在では、旧品川宿手前の品川駅前が賑わい活気に溢れている(写真13)。
(3)甲州街道
甲州街道は、江戸時代は甲州道中と呼ばれており、日本橋から内藤新宿、八王子、甲府を
経て信濃国の下諏訪宿で中山道と合流するまで38の宿場が置かれた。徳川家康の江戸入府
に際し、江戸城陥落の際の甲府までの将軍の避難路として使用されることを想定して造ら
れた。五街道が整備された頃には、甲州海道と呼ばれていたが、「海も無いのに海道とは妙
である」と云う事で、幕府の命により甲州道中になり、その後甲州街道となった。現在の
新宿付近は片側4車線で交通量も多い(写真14)。かつて布田五宿(国領、布田、上布田、下
石原、上石原)といわれた調布付近の旧道は商店街として賑わいを見せている(写真15)。
写真12 現在の品川宿 (旧東海道)
写真13 現在の品川駅前
横浜方面の国道15号線(第一京浜国道)
左側が海で江戸時代はここに海岸線が位置していた
写真14 現在の甲州街道(新宿付近)
写真15 旧甲州街道(調布付近)