- 32 -
(4)中山道板橋宿
中山道板橋宿は、日本橋から数え最初の宿場町であり、宿場内で川越街道と分岐する。
宿場は南北に長く延び、江戸側から平尾宿、仲宿、上宿の三宿で構成され、それぞれに名
主が置かれていた。享保年間(1716~36)には仲宿を中心とする地域は「古町」と称されて
おり、近世前期には仲宿を中心に宿場町が形成され、次第に平尾宿、上宿に広がっていった。
現在の旧中山道は、JR板橋駅から国道17号線を南側から斜めに交差し、仲宿を経
て都営地下鉄三田線本蓮沼駅付近までの約2.8kmの商店街となっており、休日には賑わ
いを見せている(写真16)。
また、現在の中山道(国道17号線)新板橋付近は、片側3車線で首都高速が上にあり、
交通量も非常に多い(写真17)。旧中山道板橋のたもとには、日本橋からの距離標が示
されている(写真18)。
(5)隅田川に架かる橋(No.39号)
隅田川に架橋された道路橋は数多くあるが、ここでは
文化財的橋として貴重な千住大橋(日光街道)、両国橋
(京葉道路)、新大橋(新大橋通り)を紹介する。
①千住大橋
隅田川最初の橋で徳川家康が江戸に入府して間もない
文禄3年(1594)11月に架橋された。当初の橋は現在よ
り上流200mほどのところで、当時「渡裸川の渡し(戸田の渡し)」とよばれる渡船場が
あり、古い街道筋にあたった場所と思われる。千住大橋は計6回の改架、改修が行われ、
明治18年(1885)7月1日の台風による洪水まで、流出が一度も無かった(写真19)。
②両国橋
両国橋の創架年は2説あり、万治2年(1659)と寛文元年(1661)で、千住大橋に続
写真16 旧中山道(板橋仲宿)
写真18 板橋宿一里塚
(旧中山道板橋)
写真17 現在の中山道
(国道17号新板橋付近)