- 44 -
(2)台地の公園
東京の西郊に広がる武蔵野台地上には、数多くの公園や庭園が分布している。主なも
のとして、国営昭和記念公園、都立日比谷公園、都立代々木公園、都立井の頭公園、都
立小金井公園、都立上野公園、旧古川庭園、皇居附属庭園東御苑などがある。
①国営昭和記念公園(No.31号)
都内で唯一の国営公園である。昭和天皇御在位50年記念行事の一環として設立され
た公園である。東京ドーム39個分の広い敷地内に日本庭園、芝生の広場や渓流広場、
プール、サイクリング、ボート遊びなどアウトドアも楽しめる施設がある(写真36)。
入場料は有料であるが「緑の回復と人間性の向上」をテーマとして造られただけに、
首都圏に近接しながら、広大な敷地と緑を有しており、施設も充実している。
②旧古河庭園(No.14号)
この庭園は、明治の元勲陸奥宗光伯の邸宅であったが、後に古河家の所有となった。
武蔵野台地の斜面と低地という地形を活かして、北側の小高い丘には洋館を建て、斜面
には洋風庭園、低地は日本庭園となっ
ている。この庭園の中心的存在の洋館
(本館)は、当時日本の建築界に大き
な影響を与えたイギリス建築家のジョ
サイア・コンドル博士の設計によるも
のである。本館をとりまく洋風庭園も
同博士の設計。洋風庭園はイギリス風
で花壇・芝生・植え込みを設け、絵画
的効果をもたらすように設計されてい
る(写真37)。
写真37 薔薇園から見た旧古河庭園本館
写真36 上空から見た「国営昭和記念公園」
34)