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◎蔵前国技館(二代目)
昭和29年9月に、和風様式の蔵前国
技館が完成した。新しい大相撲の殿堂
として、栃若時代、柏鵬時代、輪湖時代、
千代の富士時代を見守ってきた蔵前国
技館は、大相撲の戦後史上に燦然と輝
いている。昭和29年から昭和59年まで
の30年間は、蔵前の街は大相撲のメッ
カとしての役割を果たしていた。また、
NHKによる大相撲テレビ実況中継が始まったのも、昭和28年夏場所からで、これに
よって大相撲人気は全国的なものへ拡大し、新たなファンを生み出すことになる。や
がてこの蔵前国技館もその役割を終え、両国に新たに建設された新国技館へと引き継
がれた。
◎新両国国技館(三代目)
昭和60年1月、新両国国技館が開館した。大相撲の殿堂・新両国国技館は、随所
に最新のテクノロジーが組み込まれ、まさに新しい時代の先駆けとなった。
吊り屋根と土俵は自動昇降で格納可能、相撲以外のイベントホールとしても使用で
きる。広大な敷地内には、相撲博物館、相撲診療所なども併設されている。また、壁
面には、見る者を圧倒する巨大な 「相撲絵」
が描かれており、江戸時代の相撲の様子を
現代に伝えている。
写真23 新両国国技館
写真25 国技館の太鼓櫓 写真24 国技館壁面の相撲絵
写真22 蔵前国技館正門(昭和29年)
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