16 ◎蔵前国技館(二代目) 昭和29年9月に、和風様式の蔵前国 技館が完成した。新しい大相撲の殿堂 として、栃若時代、柏鵬時代、輪湖時代、 千代の富士時代を見守ってきた蔵前国 技館は、大相撲の戦後史上に燦然と輝 いている。昭和29年から昭和59年まで の30年間は、蔵前の街は大相撲のメッ カとしての役割を果たしていた。また、 NHKによる大相撲テレビ実況中継が始まったのも、昭和28年夏場所からで、これに よって大相撲人気は全国的なものへ拡大し、新たなファンを生み出すことになる。や がてこの蔵前国技館もその役割を終え、両国に新たに建設された新国技館へと引き継 がれた。 ◎新両国国技館(三代目) 昭和60年1月、新両国国技館が開館した。大相撲の殿堂・新両国国技館は、随所 に最新のテクノロジーが組み込まれ、まさに新しい時代の先駆けとなった。 吊り屋根と土俵は自動昇降で格納可能、相撲以外のイベントホールとしても使用で きる。広大な敷地内には、相撲博物館、相撲診療所なども併設されている。また、壁 面には、見る者を圧倒する巨大な 「相撲絵」 が描かれており、江戸時代の相撲の様子を 現代に伝えている。 写真23 新両国国技館 写真25 国技館の太鼓櫓 写真24 国技館壁面の相撲絵 写真22 蔵前国技館正門(昭和29年) 11)