6 2-2 下町の寺社仏閣と祭り 東京で行われる大きな祭りとしては、神田祭、山王祭、深川八幡祭りがあり、「江戸 三大祭り」と言われている。江戸っ子は、「神輿深川、山車神田、だだっ広いが山王様」 と評した。「山王祭」は旧暦6月15日頃、「神田祭」は9月15日頃、「深川八幡祭り」は 8月15日頃に行われる。また、浅草の三社祭りは、3日間で約150万人という人出の多 さから江戸三大祭りに匹敵するぐらいの規模の大きさである。 下町の深川八幡祭りは富岡八幡宮、浅草の三社祭りは浅草神社の祭礼として行われている。 今回は、富岡八幡宮、浅草神社ついてとりあげて説明する。 (1)富岡八幡宮 所在地:東京都江東区富岡 最寄駅:東京メトロ鉄東西線・都営地下鉄大江戸線の門前仲町駅 創 建:寛永4年(1627) 当時は永代島と呼ばれ、周辺の砂州一帯を埋立て、社地、氏子の居住地を開いた。 主祭神:品蛇和気命(ほんだわけのみこと)他八柱 本 家:神奈川県横浜市金沢区の富岡八幡宮 境内の石碑等:「横綱力士碑」、「巨人力士碑」、「伊能忠敬の銅像」 ≪深川八幡祭り≫ 祭礼は、毎年8月15日を中心に行われ、3年に1度、八幡宮の御鳳輦が渡御を行う 年は本祭りと呼ばれ、氏子・町内の大神輿と子供神輿の大小120数基が勢揃いし、その 内、大神輿54基が連合渡御をして練り歩きをする。町内の氏子が江東区から中央区に かけて、約10kmの道程を神輿を担いで歩くさまは壮観であり、「勇壮なること天下無双」 と言われている。また、担ぎ手の声は、昔ながらの「ワッショイ」に統一され、「コリ 写真5 伊能忠敬の銅像 写真4 富岡八幡宮(正面) ※伊能忠敬は、江戸時代の測量家で、現在の門前仲町1丁目に居住を構え、測量の旅に出かける 際は、安全祈願に富岡八幡宮に参詣しに来ていた。