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2-2 昭和初期以降の地下利用・地下開発
昭和初期以降の東京は人口増加による地下利用・地下開発が活発になった。その
代表的なものが上水道、下水道等の地下配管網の整備、地下鉄および地下街の建設であ
る。
(1)上水道
東京の水道は、明治31年(1898)に近代水道として淀橋浄水場から通水を開始して
から100年余りを経過しました。この間に東京の水需要は年々増加を続け、特に昭和30
年代以降の高度成長期には急激に増加したが、昭和48年(1973)のオイルショック以降、
現在までは横ばいないし微増の状況で推移している。昭和60年(1985)以降は1日最
大配水量と水源量がバランスし、施設能力がそれを上回る状況にあり、すいどうの安定
供給が確保されている。
現在は荒川・利根川水系(水系別比率79.9%)、多摩川水系(同17%)、相模川水系(同
2.9%)、地下水(0.2%)からそれぞれ取水しており、合計12箇所の浄水場を経て各家庭、
事業所等に給水されています。ほとんど地下を通る配水管の延長は25,823㎞で、給水件
数6,831,000件です。(いずれも平成21年3月東京都水道局資料)
(2)下水道
建設当時わずか4㎞の神田下水から始まった東京都の下水道管は、その後の普及が進
められ、平成7年3月には東京都区部の下水道普及利率はほぼ100%に達成し、平成15
年度末の総延長は約15,500㎞となっています。
(3)地下鉄建設
従来の市内電車に代わる新しい都市内高速交通機関については明治36年(1903)頃
から議論が開始され、地下鉄の建設が有望視されていた。大正14年(1925)内務省よ
り5路線の高速交通機関の整備計画が告知され、地下鉄整備計画の基本となった。わが
国最初の地下鉄道として昭和2年(1927)に東京地下鉄道浅草~上野間が開業し、昭和
13年(1938)に東京高速鉄道青山六丁目~虎ノ門間が開業したが、戦前の地下鉄はこ
の2路線にとどまり、本格的に普及するのは戦後になってからである。昭和34年(1959)
の都市交通審議会を経て、交通渋滞の一因となっていた路面電車を撤去して、その代
替交通機関としての地下鉄の建設が促進されることになった。東京都電は、昭和42年
(1967)の第一次撤去路線を皮切りとして昭和47年(1972)まで路線の廃止・縮小が行
われ、長年にわたって都民の足として親しまれたが、またたく間にその姿を消した。現
在の都電は、荒川線(三ノ輪橋~早稲田間、12.2㎞)だけの運行であり、他の路線は都
バスが運行されている。また、東急電鉄玉川線も一部を残して廃止され、地下鉄として
東急電鉄田園都市線として運行されている。戦後東京の地下鉄建設が本格化したのは昭
和26年(1951)に丸ノ内線が着工されてからで、その後次々に建設された。平成20年