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(2)南関東ガス田の水溶性天然ガス
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<南関東ガス田>
東京都をはじめ、千葉県、茨城県、埼玉
県及び神奈川県にまたがる南関東地方一帯
の地下には、天然ガスが埋蔵されており、
「南関東ガス田」と呼ばれている(図18)。
その規模は可採埋蔵量でいうと約3,685億
㎥とされており、これは日本国内で確認済
みの天然ガス埋蔵量の9割を占める。
このガス田では豊富な埋蔵量といった点
の他にも、天然ガスが地下深部では地下水
中に溶け込んだ状態で存在していること
や、千葉県の一部地域では天然ガスを含む
地下水にヨウ素が多く含まれるといった点も特徴的といえる。南関東ガス田で産出する
天然ガスの組成はメタン(CH4)が95%以上を占めている。
南関東ガス田の天然ガスを水溶性天然ガスと呼ぶのは、この地下水に溶けて存在する
という特徴を表したものである。南関東ガス田の水溶性ガス鉱床の大部分は地下数百m
よりも深い地層に存在し、図18で示したような範囲に分布しているとされる。
<都心の地下にも天然ガス!>
図19は、東京湾を通る東西方向の概念的な地質断面図である。深度約3,000m 以深に
は、日本列島の土台としての基盤岩である先第三系が分布する。
これより上位には、三浦層群(図中の「中新-鮮新統」)、上総層群、下総層群、沖積層(図
中の「完新統- 最上部更新統」)が4階建て構造になっていることがわかる。
地下3階の上総層群中が水溶性天然ガスの産出層であり、層中の地下水に天然ガスを
図18 南関東ガス田
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図19 東京湾を通る東西方向の概念的な地質断面図
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