24 ことになる。このため、換気設備の多くは周 辺への影響を最小限に留める努力が施されて いる。 現在建設が進められている首都高速中央環 状線の換気設備は、自動車の排気ガスなどに よるトンネル内のCO2やNO2を集約し、清浄 装置でその9割以上を除去した後、外から取 り込んだ空気で薄め、高さ約45mの換気塔の 上端から地上約100mまで噴上げる方式を採 用している。 デザイン上の特徴は、排気塔部について視 覚的圧迫感を低減するためにスリムでシャー プな六角形断面とし、外壁部は汚れ対策、反 射対策、騒音拡散反射対策として条溝リブを 設けたほか、色彩も周辺環境と調和しやすく 清潔感のある無彩色系の色彩を採用している。 なお、財団法人日本産業デザイン振興会は、 これら換気塔群に対し「デザイン上の配慮が なされたコンクリート構造物」として、2008 年度にグッドデザイン賞を授与している。 デザインにおいては、都営地下鉄大江戸線 飯田橋駅の換気塔も負けてはいない。 木立をイメージした換気塔。樹木の葉のよ うなウィングは、気流や音を調整する役割を 果たしている。力のかかるところは鋼材が寄 り集まって太くなっており、植物の仕組みか ら学んだ設計方法を採用している。有機的な 形態は通行人の目を引き、「地下鉄の換気塔」 と説明されなければ、オブジェのようにも思 える。 大江戸線で飯田橋駅を訪れる際は、是非 C3出入口へ。一見の価値ありです。 周辺への影響を最小限に留めるため、換気設備の多くは省スペース化やデザイン性、 周辺環境との融合等、様々な工夫が施されている。 写真29 中央環状線の換気塔 写真30 東京メトロ飯田橋駅の換気塔