29 4-2 これからの地下利用 (1)大深度地下使用法で変わる今後の地下利用 31) 大深度地下使用法(正式には「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」という) は平成13年4月から施行された。 【大深度地下使用法(一部抜粋)】 ◎次のうち、いずれか深い方の地下(法2条) (1)地表から40メートル(令1条)<地下室の建設のための利用が通常行われない深さ> (2)支持基盤の最も浅い部分の深さに10メートルを加えた深さ(令2条) ◎対象地域(法3条、令3条) (1)首都圏の既成市街地又は近郊整備地帯の区域内の市区町村 (2)近畿圏の既成都市区域又は近郊整備区域内の市町村 (3)中部圏の都市整備区域内の市町村 ◎対象事業(法4条) 大深度地下は通常利用さ れない空間なので、公共の 利益となる事業のために使 用権を設定しても、通常 は、補償すべき損失が発生 しない。このため、法律で は一部例外を除き、事前に 補償を行うことなく大深度 地下に使用権を設定するこ とができる 大深度地下の利用におい て心配となるのが、コスト の問題である。浅い地下の 利用に比べ、立坑の掘削、 トンネルの構築のコストは 増加するが、合理的なルー トの設定が可能となり、結 果的に事業期間の短縮、コ スト縮減にも寄与すること が見込まれている。 深い地下室も 建設できます 高層ビルの 基礎杭の設置 もできます 40m 10m 支持地盤上面 支持地盤上面 基礎杭 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 1.00 1.12 0.91 A B ●大深度地下利用に当たっての建設コスト試算 大深度地下利用によるコストについて 大深度地下利用により、地上や浅い地下の 利用に比べ、立坑の掘削、トンネル構築のコ ストは増加しますが、ルートを直線化するこ 例えば道路などの線形 に 影 響されることなく、A 地点、B地点の目的地間を 直線で、最短距離で結ぶ ことにより、コストダウンが 可能となります。 図28 大深度地下の概念図 31) 図29 大深度地下利用とコスト 31)