3 1-2 東京の地形・地質 図2に東京全域の地形区分、図3に東京の東西方向の地質断面図を示す。東京の地形 は西側から関東山地に東縁部に相当する多摩地域の山地部、武蔵野台地に代表される台 地部、東側の低地部に大きく区分される。こうした地形は海面変動や多摩川扇状地の流 路変化の影響を大きく受け、奥多摩方面の関東山地から東京湾に向かって順次高度を下 げ、台地部では河川沿いに低地が複雑に発達した樹枝状の地形としてそれぞれ特徴がみ られる。台地の主体である武蔵野台地は青梅付近を扇頂(標高約200m)、山の手台地 東端部を裾(新宿で40m、東 端部で20m)とする扇状地性 の洪積台地である。これらの 台地と低地はかなりの段差が あるため、両者は急な坂で結 ばれていることが多く、特に 都心部の淀橋台(新宿区、港 区、文京区)付近は約300の 坂がある。台地を構成している地層は洪積層といわれる地層であり、関東ロームや締ま った砂または硬質な粘土からなり、建築物を安定して支持することが可能な地層であ る。一方低地は軟らかい粘土やゆるい砂を主体とした軟弱な沖積層といわれる地層で構 成されており、重い建築物が建てにくい地盤となっている。 図2 東京全域の地形区分 5) 図3 東京の東西方向の地質断面図 6)