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3-4 地下水上昇問題
東京駅は、地下水位上昇による駅躯体の浮上問題にさらされています。特に、総武快
速線東京地下駅は、丸の内広場・ロータリー直下に位置し、地下駅中央部断面は、高さ
25.5m、最大幅44m、全延長743mの5層6径間の地下駅であり、構築下床版までの最
大深さは27mになっています。地下駅中央部の構造は、鉄骨構造からなり、前後のRC
部に比べ軽い構造でできています。また、地下駅上は丸の内広場・ロータリーで建物な
どの構造物がない(地下水浮力による地下部分の浮き上がりを押さえつけるおもりがな
い)という構造上の条件から、浮上の影響を受けやすくなっています。
地下駅周辺の土質は、上部から東京層のシルト層と砂層の互層(層厚約20m、N値1
~ 40)で、この下部に東京礫層、江戸川層砂層(いずれもN値50以上)があり、地下
駅底盤面は江戸川層砂層に位置しています(図8、図9)。東京駅地下駅では、深層地
図6 東京駅の地質断面図
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図7 東京駅の駅舎基礎構造と地盤との関係
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(基礎構造図) (基礎構造と地盤の関係)