25 5-2 丘陵部を構成する地形・地質(一部段丘,低地含む)(高尾駅~立川駅:B) 中央線沿線でこの地区に該当するのは、主に「高尾駅」~「立川駅」付近です。中央 線は、丘陵地沿いに発達した段丘面及び一部低地を横断する形で走っています。中央線 の南側に分布する丘陵地は、標高100~150m程度で、主に南西部の多摩川以南に発達し、 多摩丘陵と呼ばれる丘陵地帯です。この丘陵地帯は、全体に起伏が大きく、開析がすす み、多摩川や多摩川水系の支川による浸食等により侵食谷が形成され、谷沿いや多摩川 沿いに段丘面や低地(扇状地・後背湿地)が形成されています。 丘陵地の表層には関東ロームが一部堆積していますが、丘陵自体は上総層群と呼ばれ る洪積層~新第三紀層の半固結~固結状の泥岩・砂岩からなります。段丘面(立川面相 当)には、主に段丘礫層(立川礫層相当)が、低地には多摩川及びその支川が起源とな る河床堆積物(礫、砂、泥)や後背湿地性堆積物(腐植土)が堆積しています。 5-3 台地部を構成する地形・地質(立川駅~御茶ノ水駅:C) 中央線沿線でこの地区に該当するの は、主に「立川駅」~「御茶ノ水駅」 付近です。この地区は、主に台地と台 地内に樹枝状に発達した谷底低地から なります。台地は標高30 ~ 100mをも つ平坦な地形面で、各面の境界は段丘 状をなし、各面の高度により、多摩面、下末吉面、武蔵野面、立川面に大別されています。 (図14参照)台地部の表面には地形面に応じて立川、武蔵野、下末吉の各ローム層が分布 しています。その下位には、立川礫層、武蔵野礫層と呼ばれる段丘礫層があり、厚い東 京層(砂礫,砂,シルト)に連なり基盤の上総層群に達しています。また、谷底低地には、 軟弱な沖積粘性土や部分的に腐植土が厚く分布し、超軟弱な地盤を形成していいます。 5-4 低地部を構成する地形・地質(御茶ノ水駅~東京駅:D) 中央線沿線でこの地区に該当するのは、主に「御茶ノ水駅」~終点の「東京駅」付近です。 当該地は主に三角州低地に位置しています。三角州 低地は、大河川(荒川)流域に発達し、河川力の運搬・ 堆積や海進時に堆積した地層により形成された平坦 面です。(図15参照)三角洲低地は、一般に有楽町 層と呼ばれる軟弱な粘土と緩い砂からなります。有 楽町層の層厚は東側(荒川)に向って徐々に厚くな り厚いところでは40 ~ 50mにも達しています。そ の下位にはやや硬質な七号地層と呼ばれる地層が埋 没谷地形を埋めるように分布しています。 図14 台地の区分 20) 図15 23区の地形区 21)