- 8 -
年(1988)6月には、一部海上を含む東京都の平野部全域が鉱区禁止地域に指定され現
在に至っています。
東京都内では過去に湧出ガスの発生地域について、昭和26年(1951)11月から昭和29
年(1954)3月にかけて、深さ30m以深、主に100m前後の井戸内の地下水を対象とし、
広範囲にかつ集中的に調査が行われました。調査結果によると、東京の下町低地一帯で、
わずかにメタンが検出され、特に江東区の中央部から江戸川区の南部にかけての荒川河
口付近一帯ではメタン濃度が高く検出されました(図12参照)。他にも葛飾区や港区の
主に臨海部、大田区でも、東京都内の他の地区と比べややメタン濃度が高くなる傾向に
あります
8)
。
表1 噴出ガスの分布
8,12)
区 名 総 数 井 戸 井戸以外 災害件数
台東区 16 16 6
墨田区 11 9 2 3
江東区 14 7 7 3
江戸川区 3 1 2
大田区 1 1
葛飾区 6 6 1
足立区 2 2
世田谷区 1 1
総 数 54 36 18 13
(注) 1.東京都土木技術研究所(1993)による
2.昭和36年(1961)から昭和50年(1975)7月まで
の東京消防庁資料を整理
3.災害件数は総数の内書
図10 ガス井戸の位置
8)
図12 地下水中の溶存メタン濃度
8)
図11 井戸本数と産出量の変化
8)