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(1)在来型ガスとは?
在来型ガスは賦存形態により、構造性ガス、水溶性ガス、炭田ガス、石油系ガスに分
類されます。主な特徴は以下のとおりです。
【構造性ガス】 地層構造に天然ガスが封じ込められて鉱床を形成しています。
【水溶性ガス】 地層水に溶け込んだ状態で鉱床となっています。
【炭 田 ガ ス】 石炭が出来る過程で発生したメタンが鉱床となっています。
【石油系ガス】 原油に溶存している状態のもので水溶性ガスと異なり、エタン(C
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H
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)
以上の炭化水素も多く含まれます。
日本国内のガスの生産の歴史を振り返ると、その生産量の大部分は構造性ガスが占め
ており、主に新潟県で生産されています。次いで生産量の多い水溶性ガスは、昭和45
年(1970)にピークを迎え、この頃には、国内生産量の約30%を占めていましたが、平
成24年(2012)には約12%程度となっています。この水溶性ガスは、関東平野南部(千
葉県、東京都、茨城県、神奈川県)に広く分布する「南関東ガス田」に豊富に賦存され
ており、現在の生産量を続けても、あと800年分もあると言われています。
また、産業の発展に呼応して天然ガス需要量が増加した結果、国内生産量だけではそ
の需要量を満たすことが不可能となり、現在では、輸入液化天然ガスLNGが供給量の
90%を超え、多様な地域から天然ガスが輸入されています。
(2)非在来型ガスとは?
非在来型ガスは、タイトガス、シェールガス、コールベッドメタン、メタンハイドレ
ードに分類されます。主な特徴は以下のとおりです。
【タイトガス】 在来型ガスが貯留している地層よりも稠密な砂岩層に貯留した天然ガ
スです。生産性が低かったため従来は開発が進まなかったが、1980年代後半から米
国で開発が進展しました。
【シェールガス】 天然ガスが生成される頁岩層内に滞留した天然ガスです。従来は、
経済的な生産が困難であったためほとんど開発されませんでしたが、2000年代にな
って新たな探鉱・開発技術を用いた開発が米国で急速に進み、最近では米国外でも
開発が進められようとしています。
【コールベッドメタン(炭層メタン)】 石炭が生成される過程で発生して、そのまま
石炭層に滞留した天然ガスです。1980年代後半から米国で開発が進み、現在はオー
ストラリア・カナダ・中国などでも開発が進んでいます。
【メタンハイドレート】 水分子とメタンガス分子から構成される氷状の物質です。日
本近海の海底にも莫大な量が存在すると見られていますが、経済的な生産技術が確
立されていないため、商業生産はされていないのが現状です。