－ 14 － ４．空港建設における土質調査・試験及び地盤改良工事 東京国際空港は元々遠浅の海岸を埋め立てた土地なので、昔から様々な地質調査を行 い、様々な工法の地盤改良工事を行ってきました。以下に、土質調査及び土質試験結果 から導かれる地盤改良工法について記載します。 ４－1　土質調査 地面の下の情報を得る方法として、ボーリング調査を実施します。これは、地表から ボーリングマシンを用いて鉄製のロッドを回転させながら、地面に穴をあけ、各種試験 や試料採取を実施して、地盤の情報を集めます。 本地域では、浚渫残土・建設残土により造成したため、多大な沈下が予測されまし た。そのため、東京国際空港沖合展開地区全域において、2000本にも及ぶボーリング 調査を実施しています。さらに、埋土層、Ac1層、As1層の詳細な層厚を把握するため、 25mピッチのオートマチックラムサウンディング（簡易貫入試験。Ｎ値と相関のあるデ ータが得られる。）と50mピッチの電気式三成分コーン貫入試験（先端抵抗、間隙水圧、 周面摩擦を連続的に計測し、種々の地盤定数を求めます。）を実施しました。 表５は、東京国際空港の建設にあたり行われた土質調査の種類及び内容について示し ています。 表 5　調査種類及び内容 11） 調査名称 時　　期 間　隔 対象土層 調　査　内　容 第Ⅰ期地区 ボーリング調査 残土盛土施行以前 S55～S58 200mピッチ 残土層、Ac1層 As1層、Ac2層 土質試験（物理、一軸、圧密） 成層の確認 ボーリング調査 残土盛土完了後 S58～S60 適時 残土層、Ac1層 As1層 層厚調査、物理試験 オートマチック ラムサウンディング 残土盛土完了後 S58～S60 20mピッチ 残土層、Ac1層 As1層 層厚調査 第Ⅰ期・ 第Ⅱ期地区 ボーリング調査 S60～S61 100mピッチ 残土層、Ac1層 As1層、Ac2層 土質試験（物理、一軸、圧密） 成層の確認 ボーリング調査 S61 50mピッチ 残土層、Ac1層 As1層 層厚調査、物理試験 オートマチック ラムサウンディング 同上 25mピッチ 同　上 同　上 電気式三成分コーン 同上 50mピッチ 同　上 同　上 第Ⅲ期地区 事前ボーリング 埋立直後 50～500m ピッチ Ac1層、Dc1層 土質定数（物理、一軸、圧密） 成層の確認 計器設置時ボーリング 計器設置時 200mピッチ 同　上 同　上 チェックボーリング 地盤改良盛土 完了後３ヶ月 適時 Ac1層、Dc1層 土質定数（物理、力学）