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などが考えられますが、それに加え、多摩地域の地下水低下は、被圧地下水の過剰揚水
による不圧地下水位の低下も一因であると言われてます。多摩地域は、地層構造上、不
圧帯水層と被圧帯水層を分ける難透水層が薄く、帯水層が接している場所があり、被圧
地下水が過剰揚水されると、帯水層中の水がなくなり、浅層の地下水が深層へ引き込ま
れるという現象が発生していると考えられています(図16参照)。
多摩地域での揚水は、水道目的の揚水量が大半を占め、食料品製造業での揚水量も多
いことから、平成25年の時点で飲料用の揚水が約4分の3を占めています。この割合に
は近年あまり変化が無いものの、揚水量は年々減少傾向にあります。図17に昭和34年
以降の多摩地域の揚水量の変遷を示します。図からは、区部に接している北多摩南部か
ら始まり、南多摩、北多摩北部、北多摩西部へと地下水開発が進んでいきました。揚水
量は昭和45年にピークを迎え、その後はなだらかに減少傾向となっています。
図16 不圧滞水層から被圧帯水層への地下水の移動
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ストレーナが複数ある井戸
図17 多摩地域の揚水量の推移
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