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2)岩盤と岩盤の間の地下水
日本では、主に成層火山と呼ばれる形式の火山が多く、溶岩や凝灰角礫岩などの緻密
で硬い岩石の層と、火山砕屑物や軽石、スコリア、泥流堆積物などの軟らかくて空隙が
多い地層が交互に積み重なって形成されています。
この形式の火山は、硬い岩石の層が不透水層、空隙の多い軟らかい地層が透水層とな
り、この中を地下水が流れています。
このように、島しょ部の火山地域では、特定の地層の中を地下水が流れているのです。
3)岩盤と土砂の間を流れる地下水
礫や砂などの土砂が溜まっている場所では、岩盤にしみこむ前に、土砂の中を流れていき
ます。このような状況は、土砂が浅く堆積している場所では河川、土砂が厚く堆積している
場所では、地下水となります(専門用語では伏流水と呼びます)。
主に、山と山の間の平地での地下水の形態になります。
4-2 水利用
山地や丘陵地では、河川などの河川水(表流水)はダムなどで発電、水道用水として利用
されていますが、一部の湧水や小規模な井戸などを除き、地下水は積極的な水利用はされて
いません。
これは、山地や丘陵地は、地下水をかん養する場所だからです。また、裂か水が主体であり、
水量が少ないことも一因となっています。
写真2 溶岩と火山砕屑物の互層(伊豆大島町)