- 23 - 2)岩盤と岩盤の間の地下水 日本では、主に成層火山と呼ばれる形式の火山が多く、溶岩や凝灰角礫岩などの緻密 で硬い岩石の層と、火山砕屑物や軽石、スコリア、泥流堆積物などの軟らかくて空隙が 多い地層が交互に積み重なって形成されています。 この形式の火山は、硬い岩石の層が不透水層、空隙の多い軟らかい地層が透水層とな り、この中を地下水が流れています。 このように、島しょ部の火山地域では、特定の地層の中を地下水が流れているのです。 3)岩盤と土砂の間を流れる地下水 礫や砂などの土砂が溜まっている場所では、岩盤にしみこむ前に、土砂の中を流れていき ます。このような状況は、土砂が浅く堆積している場所では河川、土砂が厚く堆積している 場所では、地下水となります(専門用語では伏流水と呼びます)。 主に、山と山の間の平地での地下水の形態になります。 4-2 水利用 山地や丘陵地では、河川などの河川水(表流水)はダムなどで発電、水道用水として利用 されていますが、一部の湧水や小規模な井戸などを除き、地下水は積極的な水利用はされて いません。 これは、山地や丘陵地は、地下水をかん養する場所だからです。また、裂か水が主体であり、 水量が少ないことも一因となっています。 写真2 溶岩と火山砕屑物の互層(伊豆大島町)