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5.まとめ
水が人類共通の財産であることを再認識するとともに、限りある水が健全に循環し、
その人類にもたらす恩恵を資源の源である山中から河口、海域に至る全ての地域におい
て、永久的に享受できる様に水循環に関する施策を総合的かつ一体的に整備していく事
が必要です。そのような施策の一つとして、水の適正な利用及び水の恵沢の享受確保を
目的に、持続可能な地下水の保全と利用を推進していく事が重要です。
国においては、平成26年(2014)に「水循環基本法」が制定・公布され、健全な水
循環を維持・回復させ、我が国の経済社会の健全な発展及び国民生活の安定向上に向け
て、水循環に関する施策を総合的にかつ一体的に推進する事が定められました。ここで
水循環とは「水が蒸発、降下、流下又は浸透により、海域等に至る過程で地表水又は地
下水として河川の流域を中心に循環すること」と定義されています。この基本法に基づ
き平成27年(2015)には「水循環基本計画」が策定され、水の適正かつ有効な利用の
促進等に係る施策として、「持続可能な地下水の保全と利用」すなわち地盤沈下、地下
水汚染、塩水化などの地下水障害の防止や生態系の保全等を確保しつつ、地域の地下水
を守り、水資源等として利用することを推進することとしています。
(1)持続可能な資源
地下水は人の生活において貴重な資源ですが、その財源は無限ではなく有限なもので
す。限られた資源を有効に利用し、日々の生活に活かしていく必要があります。その利
用過程において、何らかの障害が生じる事を「地下水障害」と呼び、主な例は以下の通
りです。
表7 主な地下水障害の例
14)
地下⽔障害の種類 現象の一般的な特徴
①井⼾枯れ
過剰揚⽔や掘削⼯事等の人為的要因により地下⽔位が低下し、井⼾内に流入する地下
⽔が少なくなり、井⼾が干上がる現象。
②地盤沈下
粘土層が近接する帯⽔層からの過剰揚⽔により粘土層中の間隙⽔が流出し、粘土層が
圧密収縮して地表⾯が沈下する現象。
③塩⽔化
沿岸部において過剰揚⽔により塩⽔が帯⽔層中を遡上し、地下⽔に海⽔が混入し、地
下⽔の塩濃度が飲⽤や農業⽤に適さない程高くなる現象。
④地下⽔汚染
人の健康に有害な物質が地中を移動して帯⽔層に達し、地下⽔が汚染された状態。原
因としては、人の⽣活や⽣産活動に由来する場合と、砒素等の⾃然由来による場合が
ある。
⑤湧⽔消失・湧出量減少
雨⽔浸透⾯の現象による涵養量の変化、過剰揚⽔、地震災害等の⾃然的要因等によっ
て周辺環境が変化し、湧出量が減ったり消失する現象。