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4-2 親水公園
石神井川を含む都市河川は、本来の治水や利水といった機能に加えて、一般市民の身
近な環境空間としての役割が求められています。この環境空間は人と自然の交流という
概念のもとに川がその場所を提供しており、研究者や技術者らによってこの自然的な河
川機能は親水と呼ばれるようになりました。言葉の由来は、水への親しみを込めた造語
と言われています。
次に、石神井川周辺に存在する親水公園をいくつか紹介します。
(1)小金井公園(東京都小金井市、小平市)
写真 19 小金井公園北側の石神井川 写真 20 小金井公園のふたつ池
小金井公園は南側に玉川上水、北側に石神井川が流れ、緑豊かな面積約80ヘクター
ルの広大な都立公園です。前身は小金井大緑地で昭和29年に都市公園として開園しま
した。
公園の北側を西から東に向かって流れる石神井川は、三面がコンクリートで造られた
開渠となっています。行政的にはこの付近が石神井川の上流端と定義されていますが、
源流はさらに上流に存在すると言われており、諸説あります。このあたりの石神井川は
普段はほとんど水の流れはありませんが、写真の撮影で訪れた9月中旬は台風の通過後
の影響か開渠底部分の表面5割程度を占める水量がありました。
小金井公園の北端にはふたつ池と呼ばれる池があり、水辺は濃い緑の植物が溢れてお
り、メダカやモツゴといった魚やカワセミが飛来する姿も見る事が出来ます。このふた
つ池は公園内の雨水を調節する役割を持っており、大雨で溢れる場合は石神井川に流れ
る仕組みになっているようです。また、園内には写真21に示す「見えない貯水池」と
呼ばれる仕組みがあり、地上では見る事は出来ませんが、この付近に降った雨水が一度
に石神井川に流れ込まず地下に浸透して一時的に貯水し、少しずつ石神井川に流れる仕
組みとなっています。小金井公園と石神井川は水害を防ぐ目的において、お互いに関係
がある事が分かります。